米軍兵士による性的暴行事件の情報が沖縄県に伝えられていなかった問題を巡り、日本政府は情報共有の仕方を再検討しました。昨年以降、沖縄県に伝えられていなかった事件は5件で、そのうち昨年12月と今年の5月の事件情報は外務省で止まったままだったことが分かりました。外務省は、被害者のプライバシーなどを考慮し、公表していなかった警察に倣って情報を伝えていませんでしたが、政府は5日からこれを変え、警察が発表しない事件であっても可能な範囲内で沖縄県に伝えることを決めたのです。

林芳正官房長官は「捜査機関による事件処理が適切に終わった後、該当する地方自治体に情報を伝えることになるだろう」と述べました。情報は捜査機関から外務省、そして防衛省を経て沖縄県に伝えられます。

沖縄県民に注意を喚起できないとして政府に直接抗議していた玉城デニー沖縄県知事は、今回の発表を肯定的に評価しました。彼は「情報共有の運用を再検討したことは一歩前進だと考えている」と述べました。

同じ情報伝達をしていなかった沖縄県警も改善策を出し、玉城知事は「沖縄県警本部長から逮捕または検察送致時に沖縄県に情報を提供するとの説明を聞いた」と伝えました。沖縄県警は、容疑者を逮捕したり検察に送致したりする段階で情報を提供することになります。玉城知事は「沖縄県警と緊密に協議を重ねて県民に注意を喚起すべき事項は県民に伝え、米国側にも強い規律確立を要求できるだろう」と述べました。

一方、日本労働組合総連合会（連合）は、米軍基地問題解決のため、日本国内の米軍基地の整理・縮小と日米地位協定の抜本的な再検討を求め、活発な活動を展開しています。

日本全国には、130以上の米軍基地を含む米軍施設があります。横田基地（東京都）、厚木基地（神奈川県）、普天間基地（沖縄県）など日本国内の米軍基地の大部分は人口密集地域近くに位置しており、騒音、事故など深刻な問題が発生しています。

連合は2003年から主要な米軍基地を擁する15の地方連合会と米軍基地で働く労働者で構成される全駐留軍労働組合と共に検討を進め、2004年1月16日に「日米地位協定の抜本的な再検討を求める連合要求」を決定しました。

連合は「一言で言えば『日本の主権と法律を守らせる』」という目標を掲げ、「安全」、「環境」、「権利」という3つの核心的ポイントと、「関連地方自治体の参加明確化」、「環境保護（基地内汚染の責任者責任、原状回復義務）明確化」、「雇用・労働条件・権利関係明確化」、「裁判権、民事請求権（損害賠償）」、「国内法遵守と平等な適用」という5つの項目を含む再検討内容を提示しました。

連合は日米地位協定の問題点を放置できないという認識のもと、継続的な活動を続けています。特に沖縄県は日本の総面積の0.6%に過ぎませんが、米軍専用施設面積の70%が集中しており、米軍関係者による事件・事故によって住民の生命・人権・財産が日常的に脅かされています。

連合は沖縄県の日本復帰40周年を迎えた2012年に「日米地位協定の抜本的な再検討、在日米軍基地の整理縮小、沖縄の負担軽減を求める署名活動」を実施し、4,755人の署名を集めました。

連合は在日米軍基地問題解決のため、今後も継続的に活動を展開していく計画です。